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1号作品:くじゅうのおもひで

 






 






 






 






 

 





■コラムは、Q-ringの初心者のための登山講座〜九州編〜へ移設しました。2006/11/13



■コラム第3話 膝痛 2006/05/23

 

 

登山途中に膝が痛くなり、つらい経験をした方は少なくないと思います。
私も登山初心者の頃、下山する時に限って右膝がじわりじわりと痛くなり
仕舞には蟹のように横歩きしながら降りて行った記憶があります。
今回は登山における下りの膝痛(しっつう)についてお話したいと思います。

 

  

一般的に登山は上りがつらいとされていますが、山に慣れた人からは下山に注意と聞かされます。
上りは心肺機能の問題なので、十分な休憩を取りながらバランスよく歩けば心地よいものです。
下りは多少の重力に従って歩ける訳ですから、リズミカルに小走りできますが
実は、普段あまり使わない筋肉を動かしています。そうすると自分の体重とザックの重さが
もろに膝に負担をかけることになります。特に長時間の下りは膝痛の可能性大です。

膝痛には個人差がありますが、原因として以下の要因が考えられます。
1.自分の体重とザックが重過ぎる
2.登山靴が合ってない
3.歩くペースと休憩のタイミングが正しくない
4.下肢の筋力低下(運動不足)

まず1について、太りすぎの人は普通の人に比べて重い荷物を背負ってることになるので
当然、膝への負担が大きくなります。標準体重に戻しましょう。
次にザックが必要以上に重い人も疲労や膝痛の原因になっています。
余計なものが入ってませんか?もう一度、中身を見直してみましょう。


次に2の登山靴についてですが、たまに普通の運動靴で登山している人がいます。
これは、転倒や疲労につながりますので、早々に登山靴を購入してください。
また、登山における靴はサイズや靴下の厚さなど用途によってさまざまですので
アドバイスが受けられる登山専門店で購入されることをお勧めします。


3の歩くペースとタイミングについては、登山のパーティーなどに参加される場合
リーダーの采配となりますが、疲れた時は正直に申告しましょう。
あとでもっと迷惑をかけることになりかねませんので。
KCPでは、個人のペースなどを考慮して、リハビリコースと通常コースの2班に分けたり
しています。特に下りは疲労を感じなくてもこまめな休憩を取ったほうがよいでしょう。

最後に運動不足や使い慣れてない筋肉による膝痛が多くの人を悩ませていると思います。
ただでさえ、上りで筋肉疲労しているので、下りでは足がガクガクになったりします。
私も当時はそんな状況でつらかったのですが、月2回ペースの登山で3ヶ月も
しないうちに上りの息切れも少なくなり、下り時の膝痛がなくなっていきました。
膝痛で登山をやめる前に、自分のペースで筋力アップを試してみてはいかがでしょうか?

一概にすべての膝痛が、筋力アップで治るわけではありませんので、
全然よくならない場合は病院で診察を受けてください。

最後に物理的に膝痛を軽減させるための方法をいくつか紹介します。
1.ストック(杖)などで膝への負担を軽減する。
2.サポーターなどを使用する。タイツ型のサポーターは効果大のようです。
3.後ろ向きに歩く ※危険なので、運動神経がいい人のみです(^^;ゞ

 

以上、膝痛についての私の見解でしたが、やはり日々の運動が
健康的に登山をする近道のような気がします。

 

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■コラム第2話 平治号 2005/10/05

 

 やまなみハイウェイ沿いの長者原ビジターセンター横から、九重連山を見つめている犬の像をご存知だろうか?

くじゅう登山をされる方のほとんどが、平治のことを知っていると思いますが

時代が流れ、平治伝説が風化しないように、今回はガイド犬「平治号」について一筆書きたいと思います。

 

  昭和48年の夏、長者原登山口に捨てられていた子犬を、バスの切符売りの方が面倒を見るよ

 うになりました。はじめは白い毛が半分抜け落ちて皮膚病にかかっている痩せた犬でした。

 お弁当を分けてもらえるからか、登山客と一緒に山を登るようになったのです。


 ある日、九重連山に慣れていない夫婦が道迷いをしたときに、白い犬が長者原登山口まで連れて

 行きました。命拾いをした夫婦は、飼い主に犬の皮膚病を治してくださいとお金を置いていきま

 す。それから皮膚病も完治して、その犬は立派な秋田県のメスということがわかりました。

 この時期がガイド犬「平治号」の誕生でした。名前の由来は、平治岳にちなんで命名されたもの

 です。それから飼い主と一緒に何度も訓練を重ね、体格もしっかりしてきて頼もしいガイド犬に

 なっていきました。

 

 平治はとても気持ちが優しい犬だったようで、人に向かって吠えたり、噛んだりは決してしません
 でした。登山客のペースに合わせて、ゆっくりと先頭を進んでいきます。分かれ道になると

 必ず、立ち止まって待っています。登山客が小屋で休憩しているときも、決して中には入らず

 外に座って待ちます。そして言葉が解るかのように目的地まで連れて行ってたそうです。

 ガスにまかれた人、吹雪で立ち往生している人、夜の登山の同行など、たくさんの人の救いと

 励ましになってきました。

 

 それから平治は登山客の人気者になっていきます。しかし、マスコミなどが平治を取り上げて

 心無い人が、わざと平治を違う道に連れていったりして車道から帰ってくることもあったようです。

 車のよけ方までは知らない平治は、きっと戸惑いながら帰ってきたと思います。

 

 平治は子供も生みました。数年のあいだに10匹以上は生んだようです。

 しかし、そのほとんどは貰われて行きました。そのことを知ってか知らずか雨ヶ池まで行って

 こっそり生んでたこともあったようです。

 

 月日は流れ、13年目の頃から急激に平治が衰えて行きます。

 人間にしてみると老人です。耳も遠くなり、足を引きずるようになります。平治は山が好きなので

 いつまでも登ろうとします。しかし、ある日、三俣山の急勾配でどうしても登ることができなくなり

 ました。その時、平治はとても悲しげな目をして同行した登山客を見ていたそうです。

 

 昭和63年6月11日。くじゅう山開きの前夜祭で平治の引退式が行われました。
 当日400人が見守る中、平治の首輪は外され、2代目となるチビの首につけられました。
 

 昭和63年8月3日の早朝。平治は星生キャンプ場で倒れました。

 飼い主が飛んで駆けつけたときには、手足を震わせながら瀕死の状態でした。

 平治は前日、登山客を山に案内して必死で星生キャンプ場まで連れて帰って力尽きたようです。

 飼い主は一旦、職場に戻り昼過ぎに再び平治の元に戻ったとき・・・

 平治は既に力尽きていました。周りのキャンパーや登山者は、泣き崩れました。

 

 飼い主は「長い間、ご苦労だったなぁ、ありがとう平治」心の中でつぶやきながら

 登山口まで、かついでおりて行ったそうです。

 

 平治の像の横には、「平治の墓」があります。

 登山客が手を合わせているのを、よくみかけます。

 

 人間でも難しいことを、平治は14年間やってきました。

 亡くなった今でも、平治に教えられるところはたくさんあります。

 人間特有の虚栄心や体裁、見返りや傲慢を改めること。

 また、謙虚さと前向きな気持ちを思い出させてくれます。

 

 5年前(平成12年)の2月。ひどい吹雪の中、中岳付近の池ノ小屋で休憩していたら

 登山客と犬が一匹入ってきました。「長者原からずっときいてきたんですよ。」

 「へぇ、平治号みたいですね」そんな会話をした覚えがあります。

 休憩後、その登山者が出て行くと、その犬も一緒に下山してました。

 今思えば、あれは平成の平治号だったのかも知れませんね。

 

今回のコラムには「ありがとう!山のガイド犬平治」を参考にさせていただきま した。当時の平治を知っている人のエピソードなどがたくさん書かれていて、ほんとに読み応えがありました。興味のある方は是非、ご一読してください。

 

ありがとう!山のガイド犬「平治」



■コラム第1話 くじゅうと九重と久住 2005/09/10

  旅行ガイドや地図でよく目にする”くじゅう”と言う言葉。
 しかしよく見ると久住山や九重山、くじゅう連山などなど。。表示が千差万別である。

 地名という意味では、九重町(ここのえ)と久住町(くじゅう)はくじゅう連山の両裾に広がっている

 のは、ご存知のとおりである。では、山の名称についてはどうだろうか?

 正確な名称を探るため、ちょっと調査してみました。

 どうやらこの名称については、長い歴史の中で移り変わり、協議が交わされてきたようだ。
 遠い昔・・・延歴年間(782〜806年)に伝教大師によって2つのお寺が開かれた。

 九重山白水寺と久住山猪鹿寺である。この2つの上宮は、御池の畔の一角にあって

 共同で一つの上宮を仲良く祀っていた。そういった信仰により、九重山、久住山と当時から

 地域によって呼び名は同じでも書き方が異なっていたようだ。(資料:九重の歴史と自然より)

 さて、現在はどうなっているのだろう?

 市販されている地図を見ると、一般的に言われている”くじゅう山”は「久住山」(1786.8m)

 "くじゅう連山"山域を表す総称としては、「くじゅう連山」または「九重連山」
 環境庁(現在の環境省)の自然環境保全議会自然公園部会で指定されている名称は
 「阿蘇くじゅう国立公園」(九重、久住の広域を表すため)となっている。

 「九重」を"ここのえ"と読んだり"くじゅう"と読んだり・・・

 「くじゅう」を"九重"と書いたり"久住"と書いたり・・・

 ややこしくなるのは、当然ですね。

 要するに、一つの山頂を示す名称として「久住」、その地域を示す名称を「九重」「くじゅう」

 と分類されているようです。

 今回、調査してみて感じたのは、古くからの歴史があり、雄大な自然に囲まれたくじゅうは

 いろんな意味で魅力的な場所だと再認識しました。

 こういった歴史を感じながら、登山すると新たな発見があるかもしれませんね。 1号

 

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